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2013年04月28日

オフサイト型

神奈川県・海老名にオープンした、国内初のガソリンスタンド併設型水素ステーション。その施設内部をご紹介していくシリーズ、第2弾です。

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敷地内の車両の整備スペースの脇に、トレーラーの荷台部分がどーんとあります。その後方では、配管でサービスステーション側に接続されています。ここはオフサイト型といわれるステーション(ほかの場所で製造した水素を貯蔵してFCVに充てんするタイプ)で、運ばれてきた水素はここで保管されるわけです。そのためステーションにきっちりと固定、据えつけられています。ガソリンなどは地下にある貯蔵タンクに移し替えるので、ちょっと違和感があります
ね。


この可搬型貯蔵タンク以外に、サービスステーション側にも昇圧した水素を貯めておく貯蔵タンクがあります。トレーラー側が空になれば、また別のトレーラーがやってきてこの空のトレーラーと交換していく、という仕組みです。

このトレーラーは新型です。45MPaとこれまでよりも高圧です。それまでは35MPaのタンクだったそうです(普通のボンベは鉄のタンクを使用した19.6MPaタイプが主流)が、もっとたくさんの水素を積載したいというニーズに合わせて、進化したようです。

水素タンクは300Lタイプを24本搭載しています。ちなみにタンクはCFRP、いわゆるカーボンを使用して軽量化しています。じゃぁ、もっと高圧にして水素を運べばいいんじゃないか? と思うかもしれませんが、単純に圧力を倍にしたら体積は半分になるかというと、そうでもなくて、もっと強固なタンクが必要に。積載効率とコストなどを考えると、このあたりに落ち着くのだそうです。

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トレーラーのルーフ部は、運搬中の日差しで温度上昇することを防ぐように、断熱材を組み込んだ天井となっており、ステーションに据えつけられると、今度はルーフを開けるようになります。トレーラーが収納されている建屋の天井も空いています。水素が漏れてもスッと大気に放出されていくわけです。ちなみにトレーラーには、バイクなどでおなじみの「Kawasaki」のロゴマークがあります。あのバイクを作っている川崎重工製なんです。(XaCARレポーター・青山義明)
posted by polishfactory5 at 07:46| Comment(0) | 燃料電池

2013年03月19日

VWはFCにダメ出し

2015年に市販になる、というメーカーのアナウンスを受け、間もなく燃料電池車が普及し始めると思っているメディアも多い。そりゃそうだ。完成度の高い燃料電池に乗ると、明日発売だと言われても納得出来ますから。しかし! 世界規模で好調のVWは燃料電池を静観している。というかスルーしちゃってます。

先日もジュネーヴショーの折、VWの関係者に聞いてみたら「ヴィンターコルン代表が厳しい評価をしているんです」。根拠は水素に起因している。水素を大量かつ安価に生産することなど出来ない、ということです。しかも水素を700気圧タンクに充填しようとすれば、電気自動車だと150km走れる電力を使う。

水素を作るのに大量の電気を使い、充填するのにも電気を使う。だったら電気でクルマを動かせばいい、ということだ。VWは電気自動車を否定しておらず、むしろアップの電気自動車を発表。世界一の低燃費車XL1もPHVである。燃料電池より電池技術の向上の方が早いということだろう。その通りだと考えます。

というかトヨタもベンツもフォードも日産も、燃料電池車は終わったという認識を持っていることだろう。VWと違うのは、すでに巨額の開発費を投入しちゃってるということ。引くに引けなくなっているだけ。ヴィンターコルンさんの意見を聞くと、ベンツとフォードと日産の「燃料電池開発は一緒に」という流れがよ〜く解る。

止めるわけにもいかず、かといって単独で開発を続けていくだけの予算を使いたくないワケ。私は以前から燃料電池に対し懐疑的ながら、ヴィンターコルンさんの話を聞き確信を深めつつある。ただ家庭用の燃料電池は着実に進化している。私の家にも導入しようかと検討中。詳細は近々に。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 09:30| Comment(2) | 燃料電池

2012年05月14日

自動車発電所?

ホンダは燃料電池車FCXクラリティから100V/9000Wという電力を供給できる装置を発表した。ちなみにi−MiEVに付ける外部電源やエスティマHVに付いている外部電源は100V/1500W。i−MiEV6台分ということになる。一般家庭なら30A使って3戸分。節約して使ってもらえば6戸分くらいに供給可能。

しかしFCXクラリティの実力はこんなモンじゃない! フルに出力を出せば100kW! インバータ効率を90%としても、100V/9万Wを引き出せる。1戸30A契約のマンションなら30戸入り1棟分をまるまる供給可能。60A契約でも15戸分に供給できてしまう。クルマ用燃料電池の発電能力って凄い。

水素を都市ガスのようにパイプで供給してやれば、燃料電池で電力を作れるということです。ということを何度もホンダに言ってきたけれど、燃料電池の開発担当者から「乗用車以外に使われるのは絶対イヤ」と突っぱねられてきた。今回9000Wながら家庭に供給する流れができたことに驚きを隠せず。担当変わった?

ちなみにエンジンでも発電機は作れる。プリウスに付いている発電機は60kWという出力を持つ。インバータでAC100Vにすれば、5万Wの電気を継続的に作り出せる。家庭用に電力を供給するというと電気自動車が話題になるけれど、緊急対応ということならプリウス発電所の方がずっと現実的だと思います。

ちなみにプリウス発電所で使うガソリンは1時間あたり15L程度。ガソリン諸税を抜き燃料を1L=80円とすれば、1200円。これで50kWなので1kW=24円です。お湯を有効に使えるエンジン+発電機を安価に作れれば、東京電力から買う電気代と大差ない金額で電気を作れてしまうことになる。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 09:11| Comment(6) | 燃料電池

2012年05月13日

燃料電池で家庭に給電

FCV(燃料電池車)は水素を燃料とした発電所を背負って走行する電気自動車、である。ホンダの開発したFCVであるFCXクラリティは、2008年に登場したFCV専用設計の車両である。
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今回、ホンダはV2Lというコンセプトを発表した。V2LのV2とは「Vehicle to〜(クルマから)」の意味で、V2H(クルマから家)やV2V(クルマからクルマ)というエネルギーのリレーのことを指す。ホンダが提案するV2Lは、そのエネルギーの供給先をもっと広く定義したもので、その「L」には、ライフ(Life)、ライブ(Live)、リバティ(Liberty)、そしてラブ(Love)という意味を持たせている。他車への融通や自宅外の住宅への電源供給のように、緊急時には、EVから電源を確保し人々の命をつなぐというものだ。
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そこでV2Lコンセプトに即し、お披露目されたのが「外部給電付きFCXクラリティ」だ。もともと、充電の必要のないFCVは、充放電用のポートを持っていない。特に専用設計のクラリティならなおさら。外板を切り抜くといった荒業をせず、トランク内部に外部給電用のコンセントを用意することとしたようだ。ちなみに外部給電が可能なFCVはこれまで存在せず、クラリティが初となる。

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このトランクに収まるように可搬型インバータボックスを搭載している。驚くべきはその給電能力で、9kW連続7時間以上! 一般家庭使用電力の6日分に相当する。100V/30Aが3系統あり、15Aが6個、30Aを3個のコンセントを持つ。この可搬型インバータボックスの重量は50kgを切る。さすがにきちんとトランクに収納でき、さらには電源コードを装着してもトランクを閉めてロックもできるようになっている。
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緊急時の電源供給という面を考えると、FCVは非常に有効となるだろう。他社からも同様の給電システムの発表、そして市販車の発表のニュースを待ちたい。(XaCARレポーター・青山義明)
posted by polishfactory5 at 18:07| Comment(0) | 燃料電池

2012年03月05日

燃料電池の最新情報

2月29日から3月2日まで東京お台場にある東京ビッグサイトでは、「第8回水素・燃料電池展〜FC EXPO2012〜」が開催された。
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FC(Fuel Cell=燃料電池)車が一堂に会し、実際に試乗も可能というこのイベントだが、実のところ、今回試乗できたモデル、トヨタのFCHV-adv(2008 年登場)、日産のX-TRAIL FCV(同2005年)、そしてホンダFCXクラリティ(同2008年)といずれも登場からすでに、ずいぶんと時間が経っているモデルばかり。

もちろん、各社とも2015年には市販車投入を宣言しているわけで、開発は進められている。昨年の東京モーターショーでは、トヨタがコンセプトカー「FCV-R」を出展していたのが記憶に新しい。

水素タンクを搭載する必要もあり、これまで比較的大きな車両を採用(FCHVもクルーガー・ベース)していたが、一転、セダンタイプで、市販車投入を見据えている。このモデルは全くの専用ボディで、高効率パッケージを実現。同様に専用ボディを採用しているFCXクラリティとともにセダンモデルである。

02fcvr コンセプトカーとして登場したFCV-R。3サイズは4745×1790×1510mm。航続距離はJC08モードで700km以上を達成する

では、現在X-TRAILをベースに燃料電池車を走らせている日産はどうか? いまさらだが、燃料電池車というのは、タンクに充填した水素と空気中の酸素を利用し、化学反応で電気を起こして走行する電気自動車の一種。実はこのX-TRAIL FCVに使われているモーターEM61は、ピュアEVであるリーフで使われているものそのものであり、リーフのモーター制御などは、実はこのX- TRAIL FCVでのデータをベースに仕上げられているのだ。

日産では、2008年、そして昨年10月に、新しい燃料電池スタックの開発を発表し、燃料電池スタックを小型化&高性能化、そして低コスト化している様子を定期的に発信している。そもそも日産の燃料電池スタックの開発を振り返ってみると、2002年にFCVを製作した段階では、アメリカUTC フューエルセル社の燃料電池スタック(最高出力54kW)を採用していた。

しかし、翌2003年には早くも日産とUTCの共同開発モデルを採用した2代目へと進化(スタック最高出力63kW)させたモデルを登場させ、2005年登場の第3世代では、純日産製(スタック最高出力90kW)としてしまう。

世代の進化ごとによりコンパクト&高出力になっているが、第3世代で体積90Lであったものが、2008年登場の第4世代で体積68L(スタック最高出力130kW)、そして最新モデルでは、スタックの出力は85kWだが、34Lと前モデルの半分にまで小型化。この最新モデルでは、2005年モデル(現在X-TRAIL FCVに搭載しているもの)に対し、コストでは1/6にまで低減、と着実な進化を遂げている。

03fcstack  日産の第5世代となる燃料電池スタック。白金使用量や部品点数も大幅に低減

肝となる燃料電池スタックも小型化したことだし、高圧水素タンクをうまくレイアウトすれば、リーフに搭載することも不可能ではない。だが、担当者によると、それでは燃料電池車の存在意義が薄れてしまう、という。つまり、ピュアEVはCDクラスまで。それよりも大型の車両にFCVという役割を与えていくという方向。

では、引き続きこのエクストレイルベースで行くのか、と思いきや、「2012年度中には新しい試験車両を登場させますよ」とのこと。詳細は教えてもらえなかったが、「もう少し大きなクルマでね」というヒントをいただいた。どんなクルマが出てくるか、楽しみ楽しみ!(XaCARレポーター・青山義明)

posted by polishfactory5 at 01:55| Comment(0) | 燃料電池

2011年11月24日

燃料電池って普及する?

東京モーターショーにトヨタが2015年くらいに発売する、と言う燃料電池車『FCV−R』を出展する。今や燃料電池そのものは相当の完成度を持つまでに仕上がっており、おそらくトヨタも一段と性能を向上させ、コストダウンしてきたと思う。さらに燃費改善まで行われているらしく、満充填で700km走るそうな。

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一方、水素インフラを見ると非常に厳しい。水素を貯めておくのはコストが掛かる。ガソリンのような「常温常圧で最もエネルギー密度高い液体」というワケにいかないですから。満充填で700km走れるとしても、今のガソリンスタンドの10分の1くらいの数が必要になってくると思う。こらもう膨大な数です。

ただトヨタは石油業界がガソリンスタンドの生き残り策として水素を扱うようになると踏んでいるようだ。確かに燃費がドンドン良くなると、ガソリンスタンドの需要は大幅に減ってしまう。しかも電気で走るモビリティまで増えてくる気配濃厚。急速充電で利益を上げる、ということも考えているようですけど。

されど2015年といえば4年しかない。こう書くと「電気自動車の普及だって予想出来なかったでしょ?」と言われそうだ。i−MIEVの実証実験が始まったとはいえ、2007年時点で「電気自動車の実用化」は非常に難しいと私だって思っていた。というか日産の本格的な参入なければ、未だに厳しかったろう。

といったことを考えると2015年の燃料電池市販はあり得ないことじゃないと思う。ただ水素の場合、全国至る所にインフラがある電気と違うことも確か。電気はすでに流通している分の一部を使うのみ。単価も定まってます。水素はこれからインフラを整え、価格だってどうやって付けたらいか難しい。

加えて世界規模で政府予算が厳しくなってきている。日本を見ても2015年など今の体制のままだと思えない。燃料電池を上手く開発出来たとしても、インフラが追いつかない、ということです。やがて代替エネルギーも出てくるし、電気自動車の電池の性能だって上がるだろう。もちろん可能性はあると思う。

ちなみにFCR−Vはあまりに普通のクルマっぽい。もはや夢のようなデザインにしてもリアリティない、ということなのかもしれませんが‥‥。おそらく東京モーターショーでは「へぇ」くらいの注目度になってしまうと考えます。いろんな意味で「新しい切り口」が欲しいところ。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 09:58| Comment(4) | 燃料電池

2011年10月17日

日産最新型燃料電池

日産が新しい世代の燃料電池を発表した。実物を見て「小ささ」に驚く。これで85kWの出力を持つそうな。もちろんこいつはエンジンで言えばシリンダーブロック。送風機やラジエター類、巨大な水素燃料タンクも必要ですけど‥‥。

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左は従来の85kW

一方、燃料電池が活躍できる場所は急速に少なくなってきた。電池の進化が急だからだ。今や世界中の研究期間で電池の研究を行い始めている。お金にもなるし手柄にもなるからだ。こうなった時の大学の威力たるや絶大です。

本日の日経新聞に満充電で1000km走れる可能性も見えてきたという記事が出ていた。トヨタも関係しているようだから、荒唐無稽の話じゃなかろう。GSユアサあたりでも現在の半分の大きさになる次世代電池を検討しているらしい。

そうなると燃料電池の必要性は低くなる。電池の方が圧倒的に安価で、エネルギーたる電気の補給も容易だからだ。それこそ電気が来てない場所などありませんから。太陽光から作ることだって可能。果たして燃料電池の出番はあるのか?

ちなみに日産の燃料電池は大幅なコストダウンもしているそうな。やがて85kWで200万円というオーダーも見えてくることだろう。炭素樹脂を使う水素タンクだって大量生産すればコストダウンは可能になる。されど電池のコストには勝てまい。

せっかく確立した技術だ、乗用車以外に活かすことを真剣に考える時期を迎えたと思う。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 14:50| Comment(3) | 燃料電池