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2012年02月14日

走行用電池交換の周辺情報

ハイブリッド車の走行用バッテリーの件について紹介してきた。正直なトコロ、交換例は多くない。初代プリウスの後期型(11型)で出始めているものの、まだ数%くらいだという。また、大半が「距離」でなく「経年変化」。ニッケル水素バッテリーはリチウムバッテリーと同じく高温状態で使われると劣化が進む。

アクセル開度の大きい使い方や、アップダウンの多い道を走っているハイブリッド車ほど早く劣化する。当然ながら重いハイブリッド車はモーターの負担が大きい。初代エスティマなど、バッテリー容量少ないと坂も登れなくなってしまう。冷却用ファンが稼働するハイブリッド車ほどバッテリー寿命は短い。

最新のハイブリッド車はバッテリー温度を上げないための対策を多数取り入れてます。新型GSなど冷却用空気の取り入れ口を低い位置に変更しているほど。現行プリウスも下の方に付いてます。参考までに書いておくと初代プリウス後期型は頻繁に冷却ファン回った。2代目になって一度も回った記憶無し。

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旧世代のHV車は高い位置に吸気口がある(写真は現行プリウス)

昨日「交換はコーションマーク付いてからいい」と書いた。具体的に言うと、バッテリー交換増えている初代後期型の場合、カメマーク点灯のケースが増えてくる(初代初期型は普通に点灯するが、後期型は基本的に点かない)。10回ほど点くと、コーションマークに切り替わる。ただ初期はキーのオンオフで消える。

この時点でディーラーに行けば問題なし。もちろん例外もある。様々な使い方をされてきた機械なのだから、ハイブリッド車以外だって突然のトラブルは出てきます。トラブルが怖い人は定期的にメンテを受け予防措置を取っておきたい。以下、走行用電池交換が必要な時期を迎えるモデルを挙げます。(国沢光宏)

・初代プリウス後期型
・初代エスティマHV
・初代アルファードHV
・初代インサイト
・初代シビックHV

posted by polishfactory5 at 09:27| Comment(2) | HVの電池寿命

2012年02月13日

交換の目安は?

ハイブリッド車の走行用バッテリーの問題で最も知りたいのが「寿命来たらどうなるのか?」というもの。先日も書いた通り、ハイブリッド車に採用されているニッケル水素バッテリーの劣化は、普通の12Vバッテリーと全く違う。12Vバッテリーの場合、弱り始めたら急速に終わってしまう。だから早めの交換が必要。

しかしニッケル水素バッテリーは穏やかに劣化していく上、寿命という概念が適当じゃないようだ。12Vバッテリーだと右肩下がりとなるのに対し、むしろ劣化の度合いはなだらかだという。も少し具体的に書く。例えば走行5万kmで容量90%になったとしよう。次の5万kmでも容量80%というイメージ。

そのあたりから、むしろ劣化の速度はなだらかになっていく。しかも劣化により容量70%になったとしよう。そのくらいじゃ全く平気。そもそもハイブリッド車の走行用バッテリーは35%以下の容量しか使っていないからだ。プリウスのEVモードの走行可能距離は、フル充電状態からゆっくり走って2kmくらい。

電費を8km/kWhだとすれば、0,3kWhくらいの消費。プリウスの電池容量は1,31kWhです。23%くらいしか使っていないことになる。おそらく容量が50%になっても走行用バッテリーとして機能すると思う。2〜3年でダメになる携帯電話やパソコン用の電池と使い方も耐久性も違う。

劣化していくとどうなるか? トヨタのハイブリッドを開発している人に聞くと「最終的にはコーションランプが出ます」。したがってコーションランプ出るまでは交換の必要なし、ということ。トヨタの技術者は「ディーラーで弱ってきてます、と交換をすすめられてもコーションランプ出てなければOKです」。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 10:26| Comment(4) | HVの電池寿命

2012年02月12日

プリウスの電池交換

トヨタに問い合わせていたプリウスの走行用バッテリー交換に必要なコストが解ったので紹介したい。以下、トヨタの公式発表なので、また聴きや「そう言われている」という疑わしい情報ではありません。今回HV車の走行用電池交換料金のウワサがいかにデタラメなのか思い知った次第であります。

初代の前期型(車体番号NHW−39786まで)は生涯無償交換。いわゆる「ライフタイムワランティ」という自動車業界では極めてマレな対応になっている。砂漠で壊れたロールスロイスに部品を届け、ネダンを聞いたら「ロールスロイスは壊れませんと言われた」という逸話の現代版みたいな感じ。

初代の後期型はリサイクルバッテリーが出ており、10万2900円(税込み)。交換工賃はディーラーによって異なるものの、1万6千円プラスマイナス2千円くらいをイメージしておけばOK。また、インバータなど付随する補機の交換を提案されるケースもあるようだけれど、基本的には不要である。

2代目もリサイクルバッテリーが出ている。こちらは8万640円(税込み)と初代より安くなっている。工賃は初代と同じく1万6千円プラスマイナス2千円。東京トヨペットの場合、工賃1万7220円なのでトータル9万7860円ということになる。ただデビューから9年しか経過してないため、当面は交換の必要なし?

現行モデルは13万4400円ながら、バッテリーの管理を一段と厳格に行うなどの対応策を取り入れているため、交換が必要になることは希という。ニッケル水素バッテリーもリチウムバッテリーと同じく温度管理で寿命は大幅に変わってくる。2代目も初代と比べれば明らかにバッテリー寿命長いとのこと。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 09:38| Comment(3) | HVの電池寿命

2012年02月11日

走行用電池の寿命

このところハイブリッドの走行用バッテリーについて盛り上がっている。ここまで来たら徹底的にいきたい。といっても話題は広範なので、解ったことからお届けします。まず寿命の目安から。トヨタもホンダもアメリカで販売するHVは『P−ZEV/ATP−ZEV』というカテゴリーに合致させることを開発の目標としている。

P−ZEV/ATP−ZEVは電気自動車と同等の環境対応度を持つという解釈。したがって排気ガスは電気自動車の電力を作る火力発電所と同等のクリーン度が要求される。この数値、極めて厳しい。例えばHC(ハイドロカーボン。ニオイの原因)は人間の感知限界を超えており、都市部の大気以下。

よって大気汚染の激しい都市部であれば、P−ZEV/ATP−ZEVが走れば走るほど大気はクリーンになっていく。もちろん二酸化炭素は出しますけど。加えて長期に渡って厳しい排気ガス規制に縛られる。具体的に数字を挙げれば8年/16万km。最低でも8年または16万km以上電池の耐久性を持っていないとならないワケ。

触媒の他、HV車だとバッテリー寿命もこの規制の対象になります。もちろん日本で販売してるHV車に使われているバッテリーも全く同じ。問題は「保証寿命からどのくらい長く持つ」か、だ。ここからが本題。逆に考えるなら保証した寿命についちゃほぼ100%持つと考えていいだろう。仮に余力を20%前後に設定したとしよう。

すると10年/19万2千km。遡れば2002年ということになる。2代目プリウスの発売が2003年。初代プリウス後期型に相当。ちなみに2代目プリウスのバッテリーはどうか? いくつかの販売店に聞いてみたら、全て一度もないとのこと。10年は持つと考えてよさそう。初代後期型だとどうか? ボチボチ要交換が出てきているようだ。

ただ全数交換の対象になっていると言うことでも無し。むしろ交換しているケースは極めて少ない。ということから、経年変化ということで考えれば最も条件悪い使い方をしたようなケースだと11年。半数の個体が要交換になる「偏差値50」は2000年モデルでも訪れていないようだ。ただ15年になると厳しいかもしれません。

走行距離は20万kmであれば設計値の23%増程度。問題ないでしょう。普通のクルマだとクラッチだのミッションだの怪しくなってくる頃。こういった大物部品を交換したらハイブリッドの走行用バッテリー交換と同じくらいの大きな出費が必要になってくるし、ブレーキ交換だってハイブリッド車より圧倒的に多いと思う。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 01:20| Comment(4) | HVの電池寿命

2012年02月07日

ホンダのバッテリー価格

IMA式ハイブリッド車の走行用バッテリー交換の件、ホンダから公式見解を出してもらった。それによると、初代インサイトもシビックHVも、バッテリー価格は27万円。プラス工賃が1時間程度(ディーラーによって異なるが平均すると8千円前後)とのことでした。それ以外に必要なパーツ無し。また、リビルドバッテリーも無し。まぁ28万円弱だと考えればいいということでございます。

交換頻度については現在調べて貰っているところ。ただ中古車を調べてみる限り、走行用バッテリー交換をアピールしている物件は2000年式と2001年式インサイトの計2件あったのみ(交換していれば絶対アピールポイントにしているハズ)。シビックについちゃ無し。やはり走行用バッテリーの劣化は10年15万km程度なら問題無いレベルだと考えていいんじゃなかろうか。

アメリカで問題となったシビックHVは走行用バッテリーが原因だと報じられている。2006年式だとすれば、普通に使っている限り劣化は心配無い。となると、走行用バッテリーの不具合か、かなり特殊な乗り方をしたのか、そもそもデタラメな運転方法だったので燃費悪かったのか、全く解らない。もしかしたら全て正常で、ホンダ側の弁護士が極端にオタンコだった可能性も。

いずれにしろ明確な理由が判明し、裁判も結審したら、ユーザーを不安にさせないためにも何らかのリリースをするべきだと考えます。ただ率直に言って初代インサイトとシビックHVのバッテリーはトヨタに比べ高価だと思う。リセールバリューや中古車相場が低目になってしまう大きな要因になっていることは間違いなし。今からでも遅くない。リビルドバッテリーなど用意したらどうか?

ちなみに現在販売しているホンダHV車の走行用バッテリーは全て12万8千円+工賃。交換頻度や寿命に関しての返答有り次第レポートします。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 22:17| Comment(4) | HVの電池寿命

2012年02月04日

走行用の電池寿命は?

シビックHVがアメリカでカタログ燃費より大幅に悪い、ということから敗訴した。大きな原因になっていると思われるのが走行用バッテリーの劣化である。東京や大阪など大都市圏のようにストップ&ゴーの多い地域やチョイ乗りだと、シビックHVは15km/L程度の燃費になってしまうことも考えられる。

されどアメリカでの一般的な使い方じゃ今回敗訴の決定的な理由になった「普通のシビックより悪い13km/L」なんて考えられない。バッテリーが劣化していれば十分にあり得る数字です。こう書くと「ハイブリッドの走行用バッテリーはクルマの寿命と同じくらい」と書いていたのを読んだことがある、と思うだろう。

実際、トヨタのハイブリッドについては、有償でバッテリー交換をしたという話を聞かない。劣化で交換した人がいたら教えて欲しいくらいです。そもそも初期型は生涯補償だし。一方、ホンダのハイブリッドは劣化により有償で交換した人がたくさんいる。初代インサイトで走行距離多い人は、基本的に交換してる?

ちなみにホンダのバッテリーはトヨタより容量小さいのにめっちゃ高い。工賃込みの交換料は初代インサイトで27万円。初代シビックHVが36万円弱といったイメージ。訴訟の対象になった2代目シビックHVも日本だと26万円! ちなみに容量の多いプリウスは12万8千円。この件、何度か書いた。

今回の件で決定的になったのはリセールバリュー。高価な走行用バッテリーの交換が必要になるホンダのハイブリッドは、バッテリー交換しなければ中古車として売れなくなると思う。つまり下取り価格はバッテリー価格分を引いたモノになってしまうということ。日本でも同じような状況になってくることだろう。

もちろんプリウスだって例外じゃない。走行距離に関して言えば、10万kmどころか20万kmでも平気。走行用バッテリー交換無しで40万km走ったプリウスだってあります。ただ時間の経過はいかんともしがたい。トヨタに聞いた話だと普通に使えば12年くらいは持つと思うが、平均寿命15年くらいらしい。

こらもう時間が経って見なければ解らない。初代プリウスの後期型でそろそろ12年。早いクルマは寿命を迎えるかもしれません。ただプリウスの場合、リサイクルバッテリーなどの価格が下がることも考えられる。そうしたら10万円+αくらいで済むか? ホンダも何らかの対応策が必要かと。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 14:00| Comment(9) | HVの電池寿命