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2012年01月08日

ボルトの対応策

側面衝突試験を行ったシボレー・ボルトの電池が発火した原因は、どうやら衝撃でセル(電池本体)にダメージを受け、50ccほどの冷却液漏れを起こしたためらしい。おそらく冷却液が破損した電池内部に染み込んで反応したのだろう。
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対応策を見たら比較的シンプル。ボルトの電池、センターコンソールからトランク下部に搭載されている。そこで左右方向から受けた衝撃に耐えるよう補強用のアングル材を加え、さらにセンタートンネルの変形を防ぐための構造材も加えた。

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また、冷却液(ボルトの電池は水冷)漏れを感知するためリザーバータンク内にセンサーを追加。詳細は公表されていないけれど、漏れたらコーションランプを点灯させるシステムになっていると考えます。いずれにしろ発火の対応策は終了。

一時はLGケムのリチウム電池に大きな問題があると言われていたものの、比較的単純な原因だったようだ。おそらくLGケムの電池を使うメーカーにとっちゃ一安心。この件で注目を浴びたのは『A123』という電池メーカーである。

「ウチの電池は安全」と大いに売り込んだのだ。もしかすると今後A123という電池メーカーが頻繁に登場してくるかもしれません。近々どんなメーカーなのか紹介したい。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 12:54| Comment(7) | プラグインハイブリッド

2011年12月06日

2モーターハイブリッド

お待たせしました! ホンダのハイブリッドがやっと進化する。しかも相当イケそうな雰囲気濃厚! すでに2モーター式のPHVプラグインハイブリッドを搭載した試作車を埼玉県で走らせているのだけれど、これを正式に次世代パワーユニットの一つに位置づけ、2012年に発売するというリリースを出したのだった。

加えて電池搭載量を減らしたハイブリッドモデルも準備していることが判明。2013年に発売を予定しているそうな。意外や意外。ホンダはPHVでなくハイブリッドモデルを大本命と考えている様子。最新モデルに試乗してみたところびっくり! 開発担当者が最初から「ハイブリッドモードを試してみてください」。

前回試乗した時は電気自動車モードを主に味わって欲しい、という趣向。したがって電気自動車で走り、最後に電池無くなってハイブリッドモードになった。その時の印象は「多少粗さが残っていますね」。しかし! 最新モデルに乗ると、もはや全く違和感なし! このまま売っても十分に通用する仕上がりである。

加速をイメージして欲しい。走り出すときはモーター。ワンテンポ遅れてエンジン始動。このエンジンで発電機を回す。エンジン駆動の発電機で作った電力でモーターを稼働させるため、速度の上昇と共にエンジン回転も上昇していく。そしてエンジン直結モードに切り変わる、といった具合。乗っていて全く違和感無し。

気になる燃費だけれど、すでに社内テストによれば実用燃費を大幅に向上した新型カムリより良いそうな。2リッターアトンキンソンサイクルはディーゼルエンジン並に熱効率良く、リチウム電池なので回生性能が大幅に良いためとのこと。となると問題となるの、価格。高かったら良いクルマだって売れませんから。

開発担当者に聞いてみた。そしたら「すでにこのクラスのハイブリッド車は米国で2万6千ドルという相場が出来てしまいました。そこから外れたら売れないと思っています。後出しジャンケンで負けるワケにはいきません」。こいつが2万6千ドルで売れるなら文句無しのポテンシャルを持つ。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 09:09| Comment(2) | プラグインハイブリッド

2011年12月05日

プリウスPHV

プラグインハイブリッドが売れるかどうかは価格で決まると思う。プリウス成功の理由を分析すると、最終的に「普通のガソリン車より安く済む」からだ。逆にプリウスより上の車格のハイブリッドが伸び悩んでしまったのは「普通のガソリン車より高い」からである。プリウスPHVの価格を見ると明らかに高い。

それでもトヨタの関係者に聞くと「プリウスの10%くらいの台数を見込んでいます」。ユーザーがどう判断するか大いに楽しみ。3ヶ月くらい経って落ち着いてきた時の状況を見たい。プリウスPHVの将来性は価格次第でいかようにもなると考えます。普通のプリウスの20万円高くらいであれば、きっと10%売れる。

アクアのPHV仕様も開発しているらしいけれど、これまた同じ。ただプリウスより価格を下げないと商品力は増さない。イメージとしちゃ15万円高くらいだろうか。「売れる価格」を達成するためには電池価格の低減が必要。BMWにまで電池の共同開発の輪を広げようとしているトヨタの動向を見てると驚きの連続だ。

以前からパナソニックと共同で開発してきたリチウム電池は何度も何度も挫折し、結局モノにならず未だに実用化されていない。パナソニックはサンヨーを買収して居抜きで電池を手に入れたものの、これまた低コスト化への道筋が見えてこないのかもしれません。テスラだけでなくついにはBMWも、といった状況。

「トヨタが安価な電池を確保出来た」というニュース、いつ頃入ってくるだろうか。日産と同等のコストパフォーマンス持つ電池さえ使えるようになれば、プリウスPHVも20万円高くらいに価格設定出来るようになり、売れ行きも急上昇すると考えます。プリウスPHV、クルマの仕上がりは万全だ。(国沢光宏)

posted by polishfactory5 at 08:39| Comment(5) | プラグインハイブリッド

2011年12月01日

プリウスPHVの第一印象

プリウスPHV(プラグインハイブリッド)に試乗した。外気温7度。雨というコンディションだったのでエアコンを入れるとエンジン始動。十分暖まっていた状態だったため、普通のプリウスより多少エンジン停止頻度は高かった。けれど完全に冷えた状態からだと、東京都内の低い速度域じゃ(負荷が大きくないと暖まらない)5分以上エンジン止まらないと思う。

意外なことにエンジン掛かっていても、EVモードの走行距離がドンドン減っていく。聞けば「エンジンはヒーター用のお湯を作るために回してます。走行用のエネルギーは電力を使います」。エンジン掛かってるんだから走行エネルギーもエンジンから出せば暖気も早いだろうに。プリウスPHV、いろんな意味で不思議な点が多いです。一回長く乗ってみたい。

ちなみに普通のプリウスとの差額43万円をカバー出来るのか聞いてみたら「出来ます」。片道20kmの通勤で自宅は1kWh=9円の夜間電力。勤務先で無料の電気を入れる。で、冬も雨も一切エアコン使わず。これで8万km走ると43万円の差額がチャラになるそうな。販売計画を見たら月販3千台。少なくとも私は欲しいと思わなかった。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 22:31| Comment(13) | プラグインハイブリッド

2011年11月30日

シボレーボルト

衝突試験で発火したシボレー・ボルトは、GMも真摯に対応しようと動き始めている。原因が判明するまで不安だというユーザーに対し、当面「好きな車種の代車を使ってください」という対応策を打ち出した。おそらくGMも電池パックの設計変更が必要なのか、それとも問題無しなのか判断出来ないでいるんだろう。こういった時は積極的に動くべき。

11月28日には「NHTSAと連携して詳細をチェックしている」というプレスリリースも出している。旧体制のGMだったら「大丈夫」と言ったかもしれない。というか、問題出た時の対応方法で企業の評価って決まる。そういった意味ではGMの評判を高める? ただ事態は少しづつ拡大しているように感じます。原因究明まで販売も中止することになるだろう。

日本ではプラグイン・プリウスの価格が公表されたり、プリウスのマイナーチェンジの値上げが報道されたりしているけれど、いずれもECOカーアジアじゃ既報。そうそう。プラグインプリウスの電池、パナソニックブランドながら、中身はサンヨーのマンガン正極でございました。先行試験車に搭載されていたのは安全性確保に苦労したパナソニックのニッケル正極。

安全装備を何重にも行った結果、5,2kWhで160kgというヘビー級になってしまう。本日発表されたプラグイン・プリウスに採用されたサンヨー製は4,4kWhで80kg。普通のプリウスに搭載されているニッケル水素は1,3kWhで約40kg。やっぱりサンヨーの技術って優れていると考えます。もちろん発火しないよう、入念に安全策は講じてあるハズ。

ただコストは全く勝負にならないレベルだと思われる。なんせ標準のプリウスに対し88万円高! 1kWhあたり20万円という勘定になる。日産の場合、今や1kWhあたり電気自動車用で6万円前後。日産は来年にも1kWh=4万円を目指す。サンヨーの電池を安く作れるようになるには、もう2〜3年掛かるかもしれません。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 00:06| Comment(2) | プラグインハイブリッド

2011年11月16日

PX−MiEVU

東京モーターショーに出展されるECOカーを1台づつ紹介していきたい。まず最初は三菱自動車のプラグインハイブリッド車である『PX−MiEVU』。基本的なスペックだけれど、前後に1基づつモーターを搭載する4WDとなる。モーター出力は1基60kW。合計163馬力なので、2,5リッターエンジンと同等。
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いや、モーターの出力特性ってディーゼルに近いため、走れば2、2リッターターボの最大トルク40kgmという感じか。搭載されるバッテリーは容量を公表していない。目標EV走行距離50km以上とあるので、i−MiEVの短距離型『M』に搭載されている10,5kWhの東芝製電池という可能性も考えられるか?

その場合、出力的な問題が出てくる。東芝の電池、電圧が270Vと低いため、モーター出力は30kWと低い。PX−MiEVUに搭載される発電機用の2リッターエンジンの出力70kWと合わせても100kW。合計120kWあるモーターをフルに稼働させられない。16kWhタイプなら70kW+47kWの117kWになる。
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また、今回全くアナウンスされていないが、前回のモーターショーに出展されていた『PX−MiEV』はエンジン直結モードを持っていた。巡航状態になるとエンジンで直接駆動力を伝えるというシステムだ。ちなみにホンダのプラグインハイブリッドも、巡航時にエンジン直接駆動を行ってます。どうなった?

これまたナゾ。公表されているデータにも無し。すでにPX−MiEVUを紹介しているメディアも全く取り上げていない。取材しなかったのか、それとも気にならなかったのか? 個人的には800kmという航続距離を考えればエンジン直結モードを持っていると考えます。モーターショーでキッチリ調べてみたい。

気になる「市販したときの価格」だけれど、380万円というi−MiEVの価格を考えれば、モーター二つと2リッターエンジンと大柄なボディが加わるPX−MiEVUで500万円以下は難しいだろう。2013年と言われる発売時点で補助金が今と同じ100万円出たとして400万円。微妙でございます。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 09:39| Comment(2) | プラグインハイブリッド

2011年11月14日

PHVの損得勘定

プラグイン・プリウスの価格は320万円だとする情報が流れている。高いと感じるかもしれない。されどトヨタの作戦勝ちか? ちなみに補助金の対象となるプリウスの価格は217万円。100万円高だとすると、50万円ということになります。したがって実際に支払う金額としちゃ270万円。

ここで注目すべきは装備内容。ベーシックな『S』と同じ装備内容だと50万円高だ。されど「電池の上手な運用」のためリーフと同じくナビを標準装備したらどうか。純正ナビだと30万円の価値を持つ。それだけで20万円高。もはやプラグインプリウスを買った方がお得な気分になってしまう。

何度かプラグインプリウスのコストパフォーマンスを比較してみた。結論から書くと「1回あたりの走行距離が20kmなら1万km毎に3万1千円差。40kmであれば1万km毎に1万5千円差」。しかし1日20kmだと1年に6千kmしか走らない。20万円の価格差をカバーするのは10年掛かる計算。

1日40kmだとペイするまで11年弱掛かる。ただ夜間電力を契約している家庭なら、7年くらいになる。最も有利な使い方は通勤などで行きに20km。目的地で充電し(200Vだとフル充電まで2時間掛からない)、20km帰ってくるという使い方だろう。これだと5年/5万kmでペイ出来ます。

私の使い方だとどうか? 10万kmくらい走り、さらに外出先で無料の電気を貰って走れば何とかモトが取れる可能性ある。されど手間暇考えると普通のプリウスで十分か。じゃなければ補助金貰うと288万円(ナビ付き)のリーフを選び、ガソリンより安価な電気を使って走るリーフがいい?(国沢光宏)

posted by polishfactory5 at 08:28| Comment(5) | プラグインハイブリッド

2011年11月12日

ボルト炎上?

GMボルトに搭載されている電池が発火したというニュースを見た。側面衝突試験をしたボルトを保管しておいたところ、3週間後に炎上。周囲のクルマ数台を延焼させるというショッキングな状況となってしまったそうな。一報によれば韓国LGケム製のリチウムイオン電池が燃えたという。

ちなみにLGケムの電池は正極にマンガン系を使っており、ニッケル系のように危険じゃないとされる。しかも衝突試験をした時は発火しなかったため、とりあえず規定されている安全性についちゃクリアしていると考えていいだろう。いずれにしろどういった状況だったのか見えない。

また、LGケムのセルはラミネートタイプ。これまた衝撃には強いとされてます。もしかするとバッテリー本体でなく、配線のどこかが発火したのかもしれない。電気系にトラブル出たら、クルマを80km走らせるためのエネルギーが放出されるまで止まらなくなってしまう。これが電池の怖さ。

相当シリアスなことになります。気になるのはアメリカ当局の動き。一時的にリチウム電池の運用に制限が掛けられる可能性ある。そうなるといろんな意味で厳しい。参考までに書いておくと、バッテリーセルはLGケム。ユニット&制御系がGMです。続報あったらレポートします。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 18:45| Comment(4) | プラグインハイブリッド

2011年10月24日

日産もPHV

ゴーン社長は本日(24日)に行われた中期環境行動計画の記者発表の際、2015年までにプラグインハイブリッド(以下PHVと略)を販売すると表明した。日産のPHV、先日行われた新技術発表/試乗会の際に出展されていたFF用ハイブリッドシステムをベースにしたもの。というかそのまま使えます。

出展されていたハイブリッドシステム2,5リッター過給エンジンとモーターを組み合わせたタイプながら、すでにECOカーアジアでも紹介した通り、小規模の変更でPHVに流用できる。改めて日産方式のハイブリッドを紹介しよう。システムは以下の通り。『エンジン/クラッチ1/モーター/CVT変速機/クラッチ2/駆動軸』。

10月14日のECOカーアジアの記事

PHVは電気容量が少なくなるか、猛烈に気温下がって電池のパワーだけじゃ暖まらなくなった時か、急な登り坂などに遭遇してエクストラパワーが必要になった時以外、クラッチ1を切って電気自動車に。上記の条件に当てはまったなら、エンジン掛けてクラッチ1を繋ぎ、通常のハイブリッドにする。

日産の場合、実績のある安価な電池も持っている。ホンダのPHVのようなアコードクラスだとニーズは少ないだろうけれど、シボレー・ボルトやプリウスのクラスだと成功するに違いない。ただ日産式と極めて近いハイブリッドシステムを持つ現代自動車も必ずやPHVを出してくると思う。競争激化はこれからだ(国沢光宏)

posted by polishfactory5 at 15:37| Comment(3) | プラグインハイブリッド

2011年09月27日

カープールレーン

アメリカでプリウスが売れている大きな理由の一つに「1人乗りでもカープールレーンを走れる」というものがある。カープールレーンとは高速道路の追い越し車線のさらに外側に設置された車線で、本来は「2人以上乗っているクルマ」のみ走れるというもの。交通渋滞を防ぐためのアイデアです。

通勤時、LAなどはカープールレーンを走ると距離や場所によるが、所用時間半分になるといったイメージ。それでも1人乗りが多いあたりはアメリカですけど‥‥。閑話休題(ソレハサテオキ)。いささか旧聞に属してしまうが、カープールレーン発祥の地であるカリフォルニアで大きな変化があった。

法規の期限切れのため今年7月1日からプリウスなどハイブリッドカーがプールカーレーンを走れなくなったのである。一度味わった優遇措置は、なかなか身体から抜けない。一方、間もなく発売されるプラグインプリウスはプールカーレーンを走れるようになるらしいのだ。こら大きな魅力になるだろう。

先日紹介した通り、プラグインプリウスは普通のプリウスより9240ドル高い。けれど2500ドルの連邦税額控除を受けられるため、実質的に6740ドル差。電気を使うことによるエネルギーコストの差は10万kmで2000ドルくらいになるだろう。すると4740ドル差。ここから今日の本題です。

プリウスがプールカーレーンを走れた時代、走れることに対する価値は金額換算で4000ドル程度だった(中古車価格の差から判定したもの)。こいつを勘案すれば価格差740ドル。エネルギーコストの差は使用年月降れば拡大するし、ガソリンの高騰でも大きくなる。740ドルならプラグインプリウスか?

すでにプラグインプリウスに乗り換えをする動きが出てきているそうな。もちろんトヨタだってそのあたりの動きを見て価格設定したことだろう。見事な作戦でございます。先日「アメリカでも売れまい」と書いた記事は訂正させてきただきたく。きっと予定している台数を売ることだろう。(国沢光宏)

posted by polishfactory5 at 08:24| Comment(3) | プラグインハイブリッド

2011年09月17日

アメリカでも発表!

アメリカでもプラグインプリウスの価格が発表された。3万2760ドルから、である。普通のプリウスが2万3520ドルからなので、9240ドルの差。プリウスのアメリカ価格は1ドル=85円換算くらいだから、約80万円差ということになります。

これを日本に当てはめると『L』グレードのプラグイン仕様で285万円。補助金使ったなら245万円である。昨日紹介した欧州仕様から換算した265万円より20万円安い。Lの40万円高、ということでございます。日本仕様は30〜40万円差かと・

何度か書いてきている通り、30万円差だとガソリン代と電気代の差で価格差を埋めることは出来ない。ただ電気の場合、今のところ無料で貰えるケースも多々ある。プラスαの補助金が出たり、駐車料金や通行料金の優遇措置などもあります。

といったことを総合して考えれば、30〜40万円差であってもトヨタが計画している台数くらい売れるかもしれません。個人的にはもう少しEV走行距離を確保して欲しい。30kmなら大幅に実用性上がるし、40km走れれば”半電気自動車”になる。

唯一不安なのが「電池寿命」。毎日2回満充電するような使い方だと、1年およそ600回。3年で1800回に達し、そろそろ耐用回数というイメージ。10年だと6千回で、こらもう現在最も寿命長いと主張してる東芝の電池ですら厳しい状況。

このあたりを確認してから購入しても遅くないと思う。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 22:00| Comment(2) | プラグインハイブリッド

2011年09月16日

プラグインHV発売!

フランクフルトショーでプラグイン・プリウスの市販モデルがデビューした。意外や意外! 今までのプロトタイプと搭載しているバッテリーの容量が変わっている。今まで標準の電池(1,31kWh)の4つ分である5,2kWhだったのに、4,4kWhに減らされていました。電池も小型になり、リア床下に収まってる。

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プロトタイプはラゲッジ床をかさ上げして搭載してましたから。電池重量も130kg程度だったモノが80kgにまで減った。それでいて電費を改善したのか、実際に使える電池容量を大きくしたのか不明ながら(後者だと思う)、EV走行可能距離はプロトタイプと同じ23kmを確保しているという。

ちなみにプラグインプリウスは変わった制御を行っている。プロトタイプもそうだったけれど、どんなに丁寧に運転してもEV走行距離は23km以上にならない。多少手荒に運転しても23km走ってしまう。ヒーター使ったり乱暴に走ったら20kmを大幅に割り込む。面白い制御だと思う。

気になる価格だけれど、標準のプリウスより120万円ほど高い400万円(3万7000ユーロ)。国によって補助金も受けられるだろうから、そいつを勘案した価格設定なんだろう。我が国は標準車との差額の半分まで。120万円高だと実質的に60万円高。205万円の『L』で265万円。

微妙ですね。たくさん売るつもりじゃなければ何とかなるか? プリウスも245万円の『G』グレードにナビを付けて買う人が案外多い。それより安いですから。おそらくトヨタとしても台数狙いじゃなく電池の調査を兼ねて試験的に売りたいのかもしれない。少数なら入念なフォローが可能。(国沢光宏)  
posted by polishfactory5 at 13:30| Comment(2) | プラグインハイブリッド

2011年08月20日

プリウス情報

オートブログJPはプラグインプリウスの価格が日本円換算で230万円からになると報じている。円ドルレートをいくらに設定したのか不明ながら、76円だと約3万ドル。標準のプリウスは2万3520ドル(約179万円)からなので、50万円高いということ。

・トヨタの新型車予定表?

御存知の通り円ドル相場がめちゃくちゃになっているため数字をダイレクトに考えるのは間違い。2万3520ドルのプリウスを日本と同じく205万円だとすれば(1ドル=88円で換算)、3万ドルは265万円に相当する。これだと60万円高。

これまで日本での価格は標準のプリウスの60万円高になる、と書いてきた。アメリカの予想価格を見ると、妥当なセンだと思える。ちなみに日本の場合、60万円高だと補助金が30万円出る(普通車の電気自動車の価格差の半分)。

したがって実質的に普通のプリウスの30万円高ということになります。さて。30万円高が妥当かと言えば微妙。オール電化住宅の安価な夜間電力を使える状況にあり、毎日20kmくらい電気で走れるならペイ出来る。オール電化じゃないと割高。

損得はこちらで

次期型プリウスは全てプラグインになるというウワサもある。大量生産によるコストダウンが出来れば(20万円高くらいまでなら納得できる)、面白いかもしれません。(国沢光宏)

posted by polishfactory5 at 20:47| Comment(1) | プラグインハイブリッド

2011年07月21日

ホンダ方式に驚く

インスパイアのプラグインハイブリッドに乗って驚いた。全く期待していなかったものの、こら相当面白そうです。まずハイブリッドシステム。試乗車は「プラグイン」ということで5kWhの電池を搭載していたけれど、ホンダのコネだと100%安く買えない。この電池代だけで50万円高くらいになってしまうだろう。

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ということでプラグインは忘れていただきたい。開発チームの人に「電池の容量を普通のハイブリッドと同じ1kWhくらいにしたら成立しますか?」と聞いたら「全く問題ありません」。その場合、カムリやソナタのハイブリッドより燃費いいですか? と続けたら「良いと考えます」。こら凄い! ホントなら常識からして変わる。

というのもエンジンで発電機を回し、作った電力でモーターを回すというシリーズハイブリッドは、トヨタや現代自動車の「直結駆動モードのあるハイブリッドに伝達効率で勝てない」のと言うのが常識だったからだ。ちなみに今回試乗したシステム、高速域になると直結駆動するけれど街中じゃ常時シリーズ状態とのこと。

このシステムと容量違いの同じモノを作ってシビックに搭載したらプリウスに燃費で勝てるのかと聞くと「勝てます」。ホンダの主張が本当なら世の中変わる。21世紀はシリーズハイブリッドの時代になるだろう。なぜ直接駆動より伝達効率がいいのか、という私の質問に対しての答えは、8月26日売りのCTで。


もちろんインスパイア級のハイブリッドを作っても販売台数が見込めず、結果的に量販効果を出せない。同じシステムを使って早急にシビック級ハイブリッドの開発に着手すべき。されど次期型シビックはIMAシステムのモーターを大きくしたタイプになるというウワサ。このあたりにホンダの「迷い」を感じます。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 09:00| Comment(7) | プラグインハイブリッド

2011年06月13日

スイフトPHV200万円

日経Webは2013年にスズキが200万円未満の価格でプラグインハイブリッドを発売すると報じた。スズキのプラグインハイブリッドは、スイフトをベースとした試作車がすでに存在し、実証テスト中。詳細なスペックは下にリンクしている「コリズム」でレポートしている。十分成立するシステムだと考えます。

・スイフトのプラグインハイブリッド(深夜電力の誤記があります)

ボディサイズも適度。やはりハイブリッド車はBセグメントが本命だろう。すでに試乗したけれど、想像していたよりずっと自然に走ってくれる。しかも軽自動車用のエンジンをボディ剛性や重量のあるBセグメントに搭載すると、騒音や振動レベルが圧倒的に低くなります。驚くほど質感ありました。

プリウスだとモーター駆動からエンジン始動となる際、明確な騒音&振動の増加が見られるものの、小さいエンジンだとストレス無し。また、アクセル開度でエンジン回転数を上下させる制御になっていることもあり(本来なら一定回転が効率よい)、CVTに乗っているような雰囲気。相当な完成度でした。

その時点でスズキの開発陣に「バッテリーの価格は2012年くらいからイッキに下がる」的な話をしたのだけれど、信じてもらえず。部品コストから「市販車の価格」を計算していくと「とても売れるとは思えない」になるため「大量生産を前提とした市販車は難しいと思います」と言ってた次第。

しかしその後バッテリー価格にメド付いたのだろう。2013年時点でのプラグイハイブリッド用のバッテリー、おそらく1kWhあたり5〜6万円くらいかと。上のリンクでも簡単なコスト計算をしている通り、実際、十分に量販して売れるレベルが見えてきた。日経新聞の記者は、量販計画の確報を得たのだと思う。

ちなみにスイフトの試作車に搭載されているバッテリーの容量は2,66kWhでプリウスの2倍。こんなに少ないとバッテリー寿命が確保しづらい。最低でも5kWhくらい搭載すべきでしょう。まぁそんなことスズキだって認識してますね。30kmくらいEVモードあればベストかと。(国沢光宏)

posted by polishfactory5 at 09:27| Comment(2) | プラグインハイブリッド

2011年05月10日

次期型プリウス


日経Webは2014年にデビューする次期型プリウスが全てプラグインハイブリッドになると伝えている。火のないトコロに煙は立たず。十分に可能性あると考えます。その場合「電池の価格を安くできるか」という大きなテーマをクリアしなければならない。補助金など期待できないですから。

現行プリウスの価格は205万円から。13日に発表されるリチウム電池採用のプリウスαを見ると、ニッケル水素電池と同じ容量にもかかわらず20万円ほど高い価格設定になっている。ニッケル水素電池が4万円だとすると、同じ容量のリチウム電池は24万円するということ。猛烈に高い!

プラグイン仕様のため4倍搭載したら(約5kWh)約100万円高! この価格であれば普通のプリウスを買った方がお得。価格差はどの程度まで共用されるか? 25kmほど電気自動車として走れるなら、15万円差以内に抑えなければガソリン代と電気料金の差額でカバー出来ないということになる。

つまり現在1kWhあたり20万円前後するリチウム電池を、1kWhあたり4万円くらいに抑えないと成立しない。楽観的に考えると、今やLGケム(韓)のリチウム電池は1kWhあたり3万円が見えてきた。パナソニックだって1kWhあたり3万円は不可能じゃないだろう。もはやメドが立っているか?

220万円でプラグインプリウスが買えるなら大いに嬉しい。ただ冷静になって考えてみると、1kWhあたり3万円になれば、リーフと同じ24kWhで72万円。つまり電気自動車だって250万円くらいの価格も見えてくる。220万円のプラグインハイブリッドと250万円の電気自動車だと、微妙な勝負。

電気代とガソリン代が今後どうなるか読みにくいけれど、ハイブリッドとプラグインハイブリッドと電気自動車は車両価格+エネルギーコストの合計でイーブンになるかもしれない。鋭いヒトならここまで読んで「もはやプリウス級のクルマは普通のエンジンじゃ生き残れませんね」と思ったことだろう。

220万円のプラグインハイブリッドの総コストは、12km/L走る150万円のクルマより安くなる。いや、ヴィッツ級ハイブリッドが出たら、14km/L走る120万円のクルマより安くなってしまう。普通のエンジン車は15km/L以上走り、100万円を切らないと生き残れないということです。(国沢光宏)





   


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2011年02月27日

Pinプリウス評価

プラグインハイブリッドを様々な方向からチェックし、一定の評価が出来るまでのデータを得た。結論から書くと、今回試乗したパナソニック製リチウム電池を搭載するリース用のプラグインプリウスに付いて言えば「非常に厳しい」。どう頑張っても普通のプリウスや日産リーフに勝てないし魅力も薄いと思う。

プラグインプリウス雑感

・プラグインプリウスの損得勘定

寒い日だと電気自動車モードは割高に

いろんな条件で試乗し、意外だったのが「なんでEV走行オフのスイッチを付けなかったのか?」という点。御存知の通りモーターは低速で効率よく、エンジンは低速で効率悪い。バッテリー残量のあるEV走行モードの時に高速道路に入ると、イヤでも効率の悪いモーター走行になってしまうのだった。

もう少し正確に書くと、100km/h以上やアクセル全開にするとEV走行モード中でもエンジン掛かる。う〜ん! 日本の制限速度は100km/h。90km/hで走るならモーターよりエンジンの方が圧倒的に効率よい。EV走行のオフスイッチを付けてやれば、高速道路はエンジンで走れます。

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アクセル大きく開けるとエンジン掛かるので、すぐアクセルオフする

上の数字は半ば強引に高速道路をエンジンで走った時のデータ。満充電(EV走行可能表示23,2km)から9,7km走行して高速道路に入り、ICを降りて総走行距離34,2kmの場所で撮ったもの。本来なら20kmくらいでEVモードじゃなくなってしまうけれど、走り方次第でこういったことも出来る。

考えて欲しい。20km以上の距離を走る場合、必ずエンジンが掛かる。だったら渋滞しそうな区間や、信号の多い区間をモーターで乗り切った方が燃費良い。登り坂だってエンジンでしょう。こいつをドライバーに選ばせて欲しいです(判断が出来ない人はスイッチ操作しないで乗ればよかろう)。

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高速道路を流れに乗って22km走り、さらに一般道を10km走った燃費

興味深かったのがハイブリッドモードでの燃費。上の数字、バッテリー容量減って純粋なハイブリッドモードになった時のもの。多少丁寧に走ったとはいえ、28,9km/Lはタイしたもの。プリウスはバッテリー性能を上げればまだ燃費良くなるんだと思う。リチウム電池になるだろう次期型プリウスが楽しみ。

現時点での評価を書く。成功する条件を挙げるなら1)車両価格は補助金を使って普通のプリウスの20万円高まで。2)夜間の電力だけ安く買える料金体系を実現する。3)EV走行カットスイッチや、ハイブリッド走行時のさらなる燃費改善などでエネルギー効率を高める。以上3つを実現すれば素晴らしい。(国沢光宏)

posted by polishfactory5 at 20:47| Comment(2) | プラグインハイブリッド

2011年02月26日

111km/LのXL1

VWは『XL1』という111km/Lの新型車をカタールのモーターショーで発表。引き続きメディア向けの試乗会を行い、レポートが少しづつ出てきた(2月26日売りのCT誌をご覧頂きたく)。どうやら素晴らしい仕上がりのようなので、試乗したらマイッてしまっていたかもしれない。このクルマを冷静に評価しよう。

VWのプレスリリース

まずボディサイズ。3888mm×1665mmで車重795kgとある。スペックを見て「あら?」と思った人は鋭い。なんと初代インサイトの3940mm×1695mm。820kgに極めて近い。VWはカーボンの複合素材でボディを作っているが、ホンダの場合、安価なアルミで820kgを実現している。

XL1のパワーユニットは、48馬力を発生する800ccの2気筒ディーゼルターボ+27馬力のモーター。プラグインプリウスと同等の5kWhのリチウム電池を搭載するハイブリッドである。電池だけで35km走るそうな(残る76kmを1Lの軽油で走るため111km/L)。軽い分、プラグインプリウスより電費良い。

最も詳しいXL1のレポート。ただし英語です

XL1の技術、日本勢をぶっち切っただろうか? 検証してみよう。まずベースをインサイトとする。バッテリーは日産NECをベンチマークとすれば、5kWhでケース込み70kg程度(リーフは24kWhで250kg)。パワーユニットはスカイアクティブでしょう。ガソリンの3気筒1リッターか、ディーゼル1リッターだ。

ハイブリッドシステムについちゃホンダのプラグインハイブリッド方式か日産フーガ方式でよかろう。ホンダ方式を採用するのであれば、巡航用にリダクションギアを使い2速切り替えにすると効率的。日産式にすると、ガソリン仕様を作るならCVTと組み合わせ、ディーゼルだとスカイアクティブATあたりか。

燃費はどうだろう? 5kWhの電池で35kmくらい走行できよう。電池容量減った時のハイブリッドモードは、1150kgくらいあるだろうヴィッツ級ハイブリッドで44km/Lだということを考えると、ガソリン搭載のモデルだと50km/L前後か? ディーゼルと組み合わせると60km/Lも可能。

日本で作る場合、決定的な優位点がある。価格だ。インサイトを215万円で売れた。それをベースに考えると、バッテリーがインサイトのニッケル水素に対し15万円増し。ディーゼルだったらパワーユニット+後処理装置で30万円といったイメージか? ガソリンなら250万円も視野に入ります。

一方、VWのXL1は、100台生産の計画。下を見て700万円くらいになると思う。日本勢に頑張って欲しいと強く強く思う。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 16:38| プラグインハイブリッド

2011年02月24日

改めてPinプリウス

何度か試乗しているプラグインプリウスながら、ジックリ乗るのは初めてである。リーフの納車まで1週間ほど試し、ピュアEVとの違いを実感してみたいと思う。ピックアップした時に表示されていたEV走行可能距離を見ると23,2km。以前試乗した時もそんなモンだった。その時はトヨタ水道橋ビルの地下4階の駐車場から地上に出ただけで1kmもEV走行可能距離が少なくなってしまい「ありゃま!」。

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見えにくい写真で失礼

プリウスに乗り慣れていると、エンジンが掛からないことにニンマリする。プリウスで一番「あ〜あ」なの、エンジン掛かった瞬間ですから。また、ヒーター入れるとEV走行距離がイッキに減りそうなので寒いのはガマンする。ECOを追求したクルマに乗ると精神構造までECOになるから不思議だ。けっこう丁寧に走っているのも関わらず、EV走行可能距離がグングン減っていく。おそらく西に向かっているからかと。

東京は西に向かうと登り坂。自宅の練馬から中野まで自転車で往復すると、中野までは13分。中野から14分といったイメージ。地下4階から地上に出るまでに1kmも減ることを考えると、表示された電費より悪いのは仕方ないか? それでも下り坂で回生ブレーキを掛けると、走行距離が回復するから面白い。18,4km走り、EV走行可能距離表示1,2kmの地点に於いてエンジン始動。普通のプリウスになる。

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200Vの新型プラグは電極が細い

本日のお楽しみは200V充電。リーフ用に200Vを入れたのだ。どのくらいの時間で満充電になるのか計測しようと思ったら、あれれ? 差し込みプラグが旧タイプだったりして。プラグインプリウスはリーフと同じ新型だと聞いていたのに。ということで100V充電になってしまいました。ただプラグインプリウス程度のバッテリー容量なら100V充電で3時間(200Vだと1時間40分)だというので何ら不満ありません。

ちなみに燃費は20,1km走って75,3km/L。果たしてガソリン代+電気代の合計と、普通のプリウスとの価格差など考えると損か得か? じっくり検証してみたい。直感からすれば「厳しいかも」です。(国沢光宏)
posted by polishfactory5 at 22:47| Comment(1) | プラグインハイブリッド